動画に音声トラックが複数あるときは、どの音声を使うかを編集ソフトで決め、実際に書き出したファイルを聴いてからモザイク処理へ進むと、入力と出力の取り違えを整理できます。「音が聞こえた」だけでは、ファイルに入っている音声の構成までは分かりません。
この記事では、MP4やMOVの中に複数の音声がある場合の素材準備を扱います。話している名前を消す方法や、映像と音声の時間差を直す方法は主題に含めません。mosAIが複数音声をすべて保持したり、トラックごとに加工を指定できたりするという案内でもありません。
音声トラックと左右のチャンネルを区別する
まず、同じ「音声が二つ」でも、何を数えているかを確かめます。
| 見ているもの | 例 | 確認すること |
|---|---|---|
| ファイル内の音声トラック | 別言語の音声、同じ収録の別形式 | どれを再生・出力に使うか |
| 一つの音声のチャンネル | ステレオの左と右 | 各チャンネルに何が入っているか |
| 編集ソフト上の音声レーン | 会話、音楽、効果音を並べた段 | どの素材を混ぜて出力するか |
ステレオの左右があることと、選択可能な音声トラックが二つあることは同じではありません。また、タイムラインに音声の段が何本もあっても、完成ファイルに同数の切り替え可能な音声が入るとは限りません。
Adobeは、素材の音声チャンネルを編集・出力先へ割り当てる機能を説明しています。左右や複数マイクの音を扱うときは、トラック数だけでなく割り当ても確認します。Adobe公式・音声チャンネルのマッピング
スマートフォンの動画にも複数音声が入る場合がある
複数音声は、外国語版を用意した映画だけの話ではありません。
Appleは、iPhone 16シリーズなどで撮影された動画に、同じ収録を表す空間オーディオとステレオの音声トラックが入る場合があると説明しています。このような代替関係のトラックは、同時に混ぜるために用意されたものではありません。Apple公式・代替音声トラックの説明
そのため、「音声が二つあるから両方使う」「先頭だから本番用」と判断せず、素材の構成と用途を調べます。二つの音声が見えても、別々の話者が分離されているとは限りません。
手順1:元ファイルを残し、使う音声をメモする
編集・利用する権限のある元ファイルを残したうえで、確認用の作業を始めます。次のような短いメモがあると、書き出し後に照合できます。
- 元ファイル名
- 確認に使ったアプリとバージョン
- 表示された音声名・言語・形式
- 今回使いたい音声
- 残す必要があるチャンネルや別言語版
- 最終ファイルを確認する人
名前が「音声1」「音声2」だけなら、番号だけで役割を決めず、対応するアプリでそれぞれ試聴します。再生時に選んだ音声と、ファイル内に保存された音声は別に記録してください。
MacのQuickTime Playerでは、対応する別サウンドトラックを持つ動画の場合、「表示」から「言語」を選ぶなどして切り替えられます。選択肢が出ないことだけで、すべてのファイルに音声が一つしかないと断定はできません。Apple公式・サウンドトラックの選択
手順2:公開用に必要な音声を整理して書き出す
一種類の音声で納品するなら、編集ソフトで必要な会話・音楽・効果音の構成を決め、公開用として使う音声を含む動画に書き出します。不要な音を消す際も、元の素材を上書きせず、やり直せる状態を残します。
左右に別のマイクの音がある場合は、単に片側を削除すると、必要な声まで失われることがあります。どのチャンネルを使い、どこへ出すかを試聴しながら選びます。Adobe Premiereでは素材の「変更」から「オーディオチャンネル」を開き、割り当てと試聴を確認できます。Adobe公式・ソース音声の割り当て変更
同じ公式資料には、この方法でソース音声の割り当てを変更する工程では、Premiereのプロキシを使わないよう注意があります。該当する作業は元素材で行い、書き出した音声を確認してください。
別言語や空間オーディオの保持が納品条件なら、単一の音声へまとめる前に条件を確認してください。複数トラックをそのまま残すことが必須の場合、mosAIを含む各工程での扱いを事前に確かめ、保持される前提で処理を始めないことが大切です。
手順3:mosAIへ渡すファイルと声設定を確認する
編集ソフトから出した動画を、まず単独で開いて聴きます。作業中のタイムラインで正しく聞こえたことと、書き出しファイルの音声が正しいことは分けて確認します。
- 今回アップロードするファイル名を確かめる
- 会話・音楽など、必要な音が入っているか聴く
- 不要な音声や、別の版の音声が混ざっていないか確かめる
- mosAIの声設定を利用できる状態なら、オン・オフとピッチを確認する
- 開始前に表示される処理条件を確認する
mosAIの声モザイク設定は、声のピッチを変えるためのものです。使用する音声トラックや話者を選ぶ操作として扱わないでください。この記事では、複数トラックの一括加工・保持や、話者ごとの分離には対応を約束していません。
声の設定と編集中の試聴の関係は、声モザイクの試聴・出力ガイドで確認できます。発言に入った名前などを取り除きたい場合は、音声内の個人情報を編集する手順をご覧ください。
手順4:保存した最終ファイルを全編確認する
AIには見落としや誤検出があるため、解析結果を人が全編確認し、必要な修正を行います。その後に保存した最終動画を開き、最初に書いたメモと照合します。冒頭だけの試聴や音声の有無の表示だけで終えず、人が映像と音声の全編を確認します。
- 使用したい音声が最後まで入っているか
- 会話や音楽が二重になったり、必要な音が欠けたりしていないか
- 左右の聞こえ方が意図どおりか
- 声設定を使った場合、出力の聞こえ方を確認したか
- 映像のモザイク範囲に不足がないか
ファイルに切り替え可能な音声を残す要件がある場合は、対応する方法で構成も確認します。一度の再生で聞こえた音だけから、ほかの音声が保存されていないとは判断しないでください。
想定と違うときは再解析を繰り返す前に、「入力ファイルの時点」「編集画面での試聴」「保存した出力」のどこから違うかを切り分けます。問い合わせる場合も、実際の音声や個人情報を必要以上に共有せず、ファイル形式・音声構成・症状を先に伝えます。
最初の1本は、音声を決めてから試す
面倒なモザイク処理を、AIで自動に。mosAIは、陰部の検出・モザイク処理と音声変換を行うサービスです。用途が合うか判断するときは、使う映像と音声を決めた短い素材で、解析・修正・保存後の確認まで試してください。
mosAIの対応内容を見るから製品の用途を確認し、条件が合う場合は登録・ログインへ進めます。送信・処理の権限がある素材を使い、声の加工だけで匿名性が保証されるとは考えず、最終出力は人が全編確認します。



