スロー動画へモザイクをかけるなら、完成動画の速度をできるだけ先に決め、その速度を反映して書き出したファイルを処理すると、確認する映像をそろえやすくなります。処理後に速度を変更する場合も進められますが、変更後の最終出力を改めて確認する工程が必要です。
ここで混同しやすいのが、確認のためにプレーヤーでゆっくり再生することと、編集ソフトで完成動画をスローにすることです。この記事では、この違いと、フレーム補間を使う場合の注意点を整理します。特定の速度設定でmosAIの検出精度が上がる、という説明ではありません。
確認用の低速再生と、動画そのものの速度変更を分ける
プレーヤーの再生速度を落とす操作は、細かな動きを見るために役立ちます。ただし、その場でゆっくり見えたことだけでは、保存した動画の速度が変わったことにはなりません。
Adobeのソースモニターの再生操作でも、素材を確認するための再生操作が説明されています。こうした閲覧時の操作と、タイムライン上のクリップへ速度変更を適用する編集は分けて考えます。
一方、編集ソフトでスローを設定した場合も、元のメディアファイルが直接書き換わるとは限りません。Final Cut Proの公式説明では、速度変更は選択したクリップへ適用され、元メディア自体は変更されません。別のサービスへスローの状態を渡すには、その編集を反映したファイルを書き出します。
mosAIに渡す前に、編集ソフトのタイムラインではなく、実際に渡すファイルを単独で再生してください。これで、原本のままなのか、意図したスロー版なのかを確かめられます。
スローの滑らかさを作る方法も記録する
速度を落としたとき、足りないコマをどう扱うかによって見え方が変わります。Adobeの時間補間の公式資料は、主に三つの方法を説明しています。
- フレームサンプリング:既存のコマを複製したり間引いたりする
- フレームブレンド:隣り合うコマを合成して中間の見え方を作る
- オプティカルフロー:動きを解析して中間のコマを生成する
どれか一つを、すべてのモザイク動画に推奨することはできません。素材の動き、重なり、目的に合わせて選び、書き出した結果を見て判断します。滑らかに見えることと、必要な範囲が適切に覆われていることは、別々に確認してください。
補間を使うと必ずモザイクが外れる、隠した映像が復元される、と判断する根拠にはなりません。ここでの提案は、新しいコマや合成された見え方を含む最終動画を、確認対象に加えるという制作上の手順です。
速度を先に決める場合の流れ
これからモザイク処理を始めるなら、次の順番で進められます。
- 普段の編集ソフトで、スローにする区間と速度を決める
- 速度が変わる境界と、補間方法を確認する
- mosAIへ渡す一本の動画として書き出す
- そのファイルを単独で再生し、長さと速度が意図どおりか確認する
- mosAIで解析し、結果を人が全編確認して必要な箇所を修正する
- 処理済み動画を書き出し、保存したファイルを全編確認する
速度変更によって動画の尺が変わる場合があります。解析開始前には、撮影した原本の長さではなく、実際に渡したファイルと画面に表示される条件を確認します。単に高フレームレートで撮影したという情報だけで、完成動画の速度や長さを推定しないことも大切です。
この順番は、完成形に近い映像を基準に確認するための提案です。mosAIがあらゆるスロー素材や補間方式に同じ結果を返すことを保証するものではありません。
モザイク処理のあとで速度を変える場合
すでに処理した動画を後からスローにする場合は、確認済みの出力を複製し、その作業用ファイルを編集ソフトへ読み込みます。元動画を誤って読み込まないよう、修正した場面を一つ開いて照合してください。
速度変更や補間を加えたあとは、編集画面のプレビューだけで判断せず、最終ファイルを書き出します。特に次の場面は、前後を含めてコマ送りでも見直すと問題を探しやすくなります。
- 通常速度からスローへ切り替わる境界
- 動きが速い場面、対象が重なる場面
- 画面端へ出入りする場面
- カットの直前と直後
- モザイクの位置や範囲を手動で直した場面
重点箇所の確認は、全編確認を補うものです。指定した場面が問題なく見えても、ほかの区間を確認済みとは扱いません。また、速度変更だけを理由に、必ずAI再解析が必要と決める必要もありません。最終出力の状態を確認し、足りない処理と修正する場所を整理します。
修正メモには、時刻と一緒に動画の版を残す
速度変更後は、同じ場面でも元動画とは違う時刻に現れることがあります。「1分20秒を修正」とだけ書くと、どの版の時刻なのか分からなくなります。
たとえば、手元のメモに「スロー編集後v02/00:01:20付近/速度が切り替わる直後/範囲を確認」と残します。これは記録の例で、mosAIが自動生成する情報ではありません。最終ファイルで確認が終わったら、その版と確認結果を追記します。
一定速度なら元の時刻から単純に計算できる場合もありますが、途中にカットや速度の変化があると一律には換算できません。実際のファイルを再生し、場面の目印と時刻を照合するほうが確実です。
音声も残す場合は、意図した長さや聞こえ方になっているかを確認します。映像の速度、音声の扱い、補間方式を一度に変えたときは、変更した項目を記録しておくと後から切り分けやすくなります。
最初の一本で、速度を変えた映像の受け渡しを試す
mosAIでは、陰部のモザイク処理をAIで自動化し、解析結果を確認して位置や範囲の修正を行えます。速度編集は普段の編集ソフトで行い、mosAIにはどの版を渡すかを決めておきましょう。
利用する権利と必要な同意を確認できる短い代表素材で、速度変更、書き出し、AI解析、人による修正、最終出力の確認まで試すと、制作工程へ組み込めるかを判断できます。AIの見落としや誤検出を前提に、人体を含む処理結果は必ず人が全編確認してください。



